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料理に欠かせないにんにく。生のにんにくを刻んで使う人もいれば、チューブのおろしにんにくやガーリックパウダーを使う人もいますよね。それに、炒め物でおなじみの「にんにくの芽」もあります。同じにんにくでも、形が違うと中身はどう違うのでしょうか。
この記事では、文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」の本表と、その説明(第3章の食品群別留意点)だけをもとに、にんにく4種類の違いを整理しました。
※成分値は可食部100gあたりの値です。実際の商品の成分は、商品ごとの栄養成分表示を確認してください。
にんにくの成分表の基本
日本食品標準成分表とは
成分表の説明によると、日本食品標準成分表は1950年(昭和25年)に初めて公表されて以降、食品成分に関する基礎データを提供する役割を果たしてきました。学校給食や病院給食などの給食管理や栄養指導だけでなく、一般家庭の日常生活でも広く利用されている、とされています。
日本食品標準成分表(八訂)増補2023年は2023年(令和5年)に公表され、収載食品数は2,538食品、成分項目数は54と説明されています。
にんにくはどこに載っている?
にんにくは、成分表の中で2つの場所に載っています。
| 食品群 | 食品番号 | 食品名 |
|---|---|---|
| 野菜類 | 06223 | にんにく りん茎 生 |
| 野菜類 | 06349 | にんにく りん茎 油いため |
| 野菜類 | 06224 | 茎にんにく 花茎 生 |
| 野菜類 | 06225 | 茎にんにく 花茎 ゆで |
| 調味料及び香辛料類 | 17075 | にんにく ガーリックパウダー 食塩無添加 |
| 調味料及び香辛料類 | 17128 | にんにく ガーリックパウダー 食塩添加 |
| 調味料及び香辛料類 | 17076 | にんにく おろし |
成分表の説明によるにんにく
成分表の説明では、「にんにく」は中央アジア原産で、国産のほか輸入品も多く消費されているので、国産、中国産及び台湾産を試料とした、とされています。「りん茎」とは、私たちがふだん「にんにく」と呼んでいる、球の部分のことです。
にんにく4種類の違い
ここからは、よく使う4種類を取り上げて、成分表の説明と値を見ていきます。
1. にんにく(りん茎・生)
いわゆる生のにんにくです。100gあたりのエネルギーは129kcal、水分は63.9g、たんぱく質は6.4g、食物繊維総量は6.2gです。廃棄率は9%とされています。
成分表の説明では、「生」の成分値は、分析値及び四訂成分表収載値に基づき決定した、とされています。
2. 茎にんにく(にんにくの芽・生)
成分表の説明では、「茎にんにく」は、別名「にんにくの芽」といい、とう立ちした「にんにく」の花蕾(からい)を切り落とした茎である、とされています。
100gあたりのエネルギーは44kcalで、水分が86.7gと多いのが特徴です。りん茎とは違う部分なので、成分も大きく違います。
3. ガーリックパウダー
成分表の説明では、香辛料の「にんにく」は、ニンニクのりん茎を乾燥し粉状にしたもので、ガーリックとも呼ばれる、とされています。「ガーリックパウダー」には食塩を添加した製品もあり、成分表には「食塩無添加」と「食塩添加」の2つが載っています。
食塩無添加のガーリックパウダーは、水分が3.5gと少なく、100gあたりのエネルギーは380kcalです。
4. おろしにんにく
成分表には、香辛料類として「にんにく おろし」も載っています。100gあたりのエネルギーは170kcal、水分は52.1g、食塩相当量は4.6gです。生のにんにくの食塩相当量が0gなのに対して、おろしには食塩相当量の値がある点が違います。
4種類のまとめ
| 種類 | 成分表の説明 | エネルギー(100gあたり) |
|---|---|---|
| 1. にんにく 生 | 中央アジア原産。国産、中国産、台湾産を試料 | 129kcal |
| 2. 茎にんにく 生 | 別名にんにくの芽。花蕾を切り落とした茎 | 44kcal |
| 3. ガーリックパウダー | りん茎を乾燥し粉状にしたもの | 380kcal(食塩無添加) |
| 4. おろし | 香辛料類として収載 | 170kcal |
成分値を比べてみよう
主な成分(可食部100gあたり)
| 種類 | 水分 | たんぱく質 | 脂質 | カリウム | 食塩相当量 |
|---|---|---|---|---|---|
| にんにく 生 | 63.9g | 6.4g | 0.9g | 510mg | 0g |
| 茎にんにく 生 | 86.7g | 1.9g | 0.3g | 160mg | 0g |
| ガーリックパウダー(食塩無添加) | 3.5g | 19.9g | 0.8g | 390mg | 0g |
| おろし | 52.1g | 4.7g | 0.5g | 440mg | 4.6g |
ビタミンの値
| 種類 | ビタミンB1 | ビタミンB6 | 葉酸 | ビタミンC |
|---|---|---|---|---|
| にんにく 生 | 0.19mg | 1.53mg | 93µg | 12mg |
| 茎にんにく 生 | 0.11mg | 0.31mg | 120µg | 45mg |
| ガーリックパウダー(食塩無添加) | 0.54mg | 2.32mg | 30µg | (0) |
ビタミンCは、茎にんにくが100gあたり45mgで、にんにく(りん茎・生)の12mgより多くなっています。またビタミンKは、にんにく(りん茎・生)が0µgなのに対して、茎にんにく(生)は54µgです。同じ「にんにく」の名前がついていても、食べる部分が違うと、ビタミンの値もかなり違うことがわかります。
ミネラルの値
| 種類 | カルシウム | マグネシウム | 鉄 | 亜鉛 |
|---|---|---|---|---|
| にんにく 生 | 14mg | 24mg | 0.8mg | 0.8mg |
| 茎にんにく 生 | 45mg | 15mg | 0.5mg | 0.3mg |
| ガーリックパウダー(食塩無添加) | 100mg | 90mg | 6.6mg | 2.5mg |
| おろし | 22mg | 22mg | 0.7mg | 0.5mg |
ガーリックパウダーは水分が少なく、100gあたりで比べるとミネラルの値が大きくなっています。実際に使う量に合わせて見ることが大切です。
使う量に合わせて計算するには
成分表の値は100gあたりなので、実際に使う量に合わせるときは「100gあたりの値×使う量÷100」で計算します。たとえば、生のにんにくを10g使う場合、エネルギーは129kcal×10÷100で約13kcalです。おろしにんにくを5g使う場合、食塩相当量は4.6g×5÷100で約0.2gになります。
食塩添加のガーリックパウダー
成分表の説明では、「食塩添加」のガーリックパウダーのナトリウムと食塩相当量以外の成分値は、「食塩無添加」と同じ値にした、とされています。食塩添加の食塩相当量は100gあたり8.4gで、食塩無添加は0gです。料理に使うときは、どちらのタイプかラベルで確かめておくと、味の調整がしやすくなりますね。
表の記号の読み方
成分表には、数字のほかに記号も出てきます。成分表の説明では、次のように示されています。
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| – | 未測定 |
| 0 | 最小記載量の1/10未満、または検出されなかった |
| Tr | 最小記載量の1/10以上含まれているが5/10未満(微量) |
| (0) | 文献等により含まれていないと推定される成分の推定値 |
たとえば、ガーリックパウダーのビタミンCは「(0)」、おろしのビタミンB6や葉酸は「-」(未測定)です。「-」は「0」という意味ではないので、表を見るときは気をつけましょう。
調理するとどう変わる?
油いため
成分表には、にんにく(りん茎)の「油いため」も載っています。成分表の説明では、「油いため」の成分値は、調理前後の分析値から求めた成分変化率、付着した植物油の量、調理に使用した植物油(なたね油)の成分値及び「生」の成分値に基づき決定した、とされています。
| 成分(100gあたり) | 生 | 油いため |
|---|---|---|
| エネルギー | 129kcal | 191kcal |
| 水分 | 63.9g | 53.7g |
| 脂質 | 0.9g | 5.9g |
油で炒めると、油が付く分、脂質とエネルギーの値が上がっていることがわかります。
茎にんにくの「ゆで」
茎にんにくには「ゆで」の値もあります。成分表の説明では、「ゆで」の成分値は分析値及び成分変化率に基づき決定した、とされています。
| 成分(100gあたり) | 生 | ゆで |
|---|---|---|
| エネルギー | 44kcal | 43kcal |
| ビタミンC | 45mg | 39mg |
| カリウム | 160mg | 160mg |
にんにくのよくある質問
油いために使った油は?
成分表の説明では、にんにく(りん茎)の「油いため」の値は、調理に使用した植物油としてなたね油の成分値を使って決められています。家で使う油の種類や量が違えば、値も変わります。
にんにくの芽はにんにくの若い芽?
成分表の説明では、「茎にんにく」は、別名「にんにくの芽」といい、とう立ちした「にんにく」の花蕾を切り落とした茎、とされています。名前に「芽」とついていますが、成分表では花の茎の部分として説明されています。
行者にんにくもにんにくの仲間?
成分表には「ぎょうじゃにんにく」も載っていますが、「にんにく類」とは別の項目です。成分表の説明では、「ぎょうじゃにんにく」は、アイヌねぎ、ヒトビロ及びやまびるとも呼ばれ、ニンニク臭がある、とされています。
行者にんにくの成分値は?
成分表の「ぎょうじゃにんにく 葉 生」は、100gあたりのエネルギーが35kcal、水分が88.8g、廃棄率は10%とされています。名前は似ていても、にんにく(りん茎・生)の129kcalとはかなり違う値です。
成分値はいつも同じ?
成分表の説明では、原材料的食品の成分値は、品種や成育環境などさまざまな要因によってかなり変動があるのが普通だとされています。成分表の値は標準的な成分値として見て、商品の栄養成分表示もあわせて確認しましょう。
にんにく4種類の違いを知って使い分けよう
最後に、ポイントをまとめます。
- 生のにんにく(りん茎)は100gあたり129kcal
- にんにくの芽(茎にんにく)は、花蕾を切り落とした茎で、100gあたり44kcal
- ガーリックパウダーはりん茎を乾燥し粉状にしたもので、食塩添加の製品もある
- おろしにんにくは、100gあたりの食塩相当量が4.6g
形が違えば、成分の値も違います。料理に合わせて使い分けるときの参考にしてみてくださいね。